About
作品について
Artist Statment
人はいくつも役割をもって「私」としてここに存在しています。例えば私は、母親であり、妻であり、時に娘に戻る。そして社会では教員やファシリテーターとして何かを伝える立場や、援助者として誰かと時間を共有しそこに在る…。では本当の「私」とはどの私なのか?それらいくつもの役割を担った集合体が「私」であるのか?それとも全ての役割を切り離したどこかに本当の「私」がいるのでしょうか。私の制作のモチベーションは、そこからきています。
様々な役割に忙殺されていく日々に、ふと、目の前に捨てられずに溜まっていく、子どもたちの古着や返却された学習プリントがありました。「なんで捨てられないのだろう」と悩むと、そこに沢山の大切な何かが詰まり、滞っているように感じました。それを確かめるためにそれらを支持体に制作を始めると、そこに役を着た「私」が置き忘れていた「私」がそこに在るように感じました。
現在この制作プロセスが、母であることが一番大きな役目であるかもしれない今の私と、アートをする解放された私が切り離されることなく、安心安全に制作することができる枠となっています。出来た作品は、日々の断片を繋ぎ合わせた「今」であり、「いまのここの私」です。私にとってアート制作は、「本当の私とは何なのか」、それを絶えず自己確認する、大切な印となっています。

私について
Profile
櫻井 美江 サクライ ハルエ
美術作家
アート講師 、アートファシリテーター、アートセラピスト/ヨガ講師/認定心理士
CV 経歴
1997年 | 東京造形大学 造形学部 美術学科 ( 絵画版画コース専攻 ) 卒業 |
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1998年 | 東京造形大学 造形学部 美術学科 ( 絵画版画コース専攻 ) 研究生修了 |
2000年 | ロンドン芸術大学カンバウェルカレッジ 大学院 版画コース修了 |
2014年 | 英国アートセラピスト協会 アートセラピーファンデーションコース 修了 |
2020年 | 武蔵野大学 通信教育部人間科学部 人間科学科心理学専攻 臨床発達心理コース卒業 |

美術作家
Artist
Exhibition 展覧会
1996年 | 第6回 アートボックス大賞展 (麻布工芸美術館、東京) |
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1998年 | Agart World Print Art Festival (スロベニア) |
1999年 | 第1回 神奈川国際版画トリエンナーレ (神奈川県民ギャラリー、横浜) |
2000年 | 「Printmaking Show」(センターナリーギャラリー、ロンドン ) |
2001年 | 「Gods & Monsters」(ヘンシャー アート&クラフトセンター、ノースヨークシャー / イギリス ) |
2001年 | 「Morley Print Show」(R.K. バートギャラリー、 ロンドン) |
2003年 | 「INFINITY」(St. Cyprian's Church, ロンドン) |
2006年 | 「Loop」(Menier ギャラリー、ロンドン) |
2012年 | 第6回ドウロ国際版画ビエンナーレ(ポルトガル) |
2021-24年 | 「ギャラリーに行こう」(数寄和ギャラリー、東京) |
2024年 | 「動物展」(ジェーナスクリエイションギャラリー、東京) |
2024年 | 「あわいの森」(ジェーナスクリエイションギャラリー、東京) |
Solo exhibition 個展
1996年 | アートボックス ギャラリー ( 東京 ) |
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1997年 | 銀座九美洞ギャラリー |
2001年 | ギャラリーポエム ( 東京 ) |
2002年 | ギャラリー福山 ( 東京 ) |
2003年 | ギャラリーポエム ( 東京 ) |
2004年 | ギャラリー福山 ( 東京 ) |
2023年 | ジェーナスクリエーション ( 東京 ) |
Award 受賞
1996年 | アートボックス大賞展 中林忠良賞 |
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2000年 | Edward Arizzone Prize(イギリス、ロンドン) |
Publication 出版
1997年 | 版画藝術 No97 オリジナル版画制作 |
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その他の活動
Other
アートセッションについて
早産によって長男に療育が必要となり、日本に帰国してアートに関する活動は一切やめていました。息子の通う療育園の保護者室で不安と育児で疲弊している私たち母親にはどんなサポートがあるのだろう。そんなことを思っている時、ロンドンの自宅の斜め後ろに「ロンドン・アートセラピーセンター」があったのを思い出しました。「これなら私にも出来るかもしれない。」それが現在の活動の始まりです。その後、イギリスに帰った際、いくつかのアートセラピーのトレーニングを受け、日本でも臨床美術、表現アーツのトレーニングを受講し、現在に至っています。
ヨガについて
40代に入って、急に呼吸が苦しくパニックになることがあり、ヨガを始めました。その後、心理学を学んだ延長でヨガ哲学にも興味を持ち、2023年にヨガインストラクターの資格を取得しました。現在、定期的にヨガのクラスも持っています。それと並行して、ヨガとアートの両方を行うヨガ&アートセッションも実施しています。
表現アーツセラピーには、アート以外にも音楽、ムーブメント、ライティングといった様々なモダリティーを複数行うことで、より深く自己内省を促すクリエーティブコネクションがあります。しかしながら私も含めて、人前での身体表現に苦手意識を持っている日本人は少なくありません。
ヨガを身体表現として取り入れ、深く呼吸をいれながらポーズを取り入れることで身体に働きかけ、その後アート制作をすることで、より深く自分の心に働きかけることを目指してヨガ&アートセッションを実施しています。
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